体外受精等の特定不妊治療費助成制度の助成金額や仕組み・申請方法の解説

不妊治療の基礎知識

不妊治療はとにかくお金がかかります。タイミング法や一般不妊治療から体外受精や顕微受精にステップアップすると、治療費は一気に跳ね上がります。そこで、助けになるのが自治体からの助成金制度です。

今回は、私が住んでいる東京都における特定不妊治費療助成制度の仕組みや助成金額、具体的な申請方法について解説をいたします。(本情報は令和2年時点での情報です)

不妊症検査や人工授精といった一般不妊治療の助成制度の解説はこちらの記事で解説しています
不妊検査等助成の助成金はいくら?金額や仕組み・申請方法の解説

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特定不妊治療助成制度のポイント

・助成の対象は体外受精及び顕微受精
1回の治療単位で助成
・年齢に応じて最大助成回数が規定
・助成対象者となる条件有り(年齢収入

この制度は特定不妊治療(体外受精or顕微受精)1回ごとに助成がされる制度です。一般不妊治療と大きく異なるポイントは2つです。1つ目は助成にあたり所得制限がある点、2つ目は複数回助成を受けられる点の2点です。

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特定不妊治療費助成の概要

助成条件

下記の5つの条件を満たしていることが助成対象となる条件です。

助成対象者条件

・法律婚/事実婚をしている
・特定不妊治療以外での妊娠の見込みが少ないと医師が判断
・指定医療機関で特定不妊治療を受診
・治療開始時に妻の年齢が43歳未満
・前年の所得額が夫婦合算で905万円未満

不妊検査等助成金と異なる点は所得制限です。夫婦の前年所得額の合計が905万円以下であることが条件です。

注意すべきは支給額ではなく所得額である点。源泉徴収票に記載されている支給金額ではありません。所得金額の合計額から各種控除を差し引いた金額が所得額です。

かなりざっくりな目安ですが、所得額が905万円となると額面ベースで年収1,100万程度のイメージです。

助成金額

この制度の助成金額は治療のステージによって決まります。

助成金額の上限

治療ステージA:20万円(30万円)
治療ステージB:25万円(30万円)
治療ステージC:7.5万円
治療ステージD:15万円(30万円)
治療ステージE:15万円
治療ステージF:15万円(30万円)

( )内の数字は初回治療時の助成金です1回目は30万円まで助成金が拡大されます。このステージがちょっとややこしいので解説します。

治療ステージの詳細

治療ステージA:新鮮胚移植における採卵と移植
治療ステージB:凍結胚移植における採卵と移植(胚凍結含む)
治療ステージC:凍結済み胚の移植のみ
治療ステージD:採卵のみ(体調不良により移植未実施)
治療ステージE:採卵のみ(受精できず)
治療ステージF:採卵失敗

採卵と移植までを行った場合がステージAとB、過去に凍結した胚の移植のみを行った場合がステージC、採卵をしたものの移植をできない場合がステージD、E、Fです。

我々は凍結胚移植を受けたので、治療ステージBにて申請を行いました。体外受精の凍結胚移植に要した医療費は75万円弱。このため、およそ半額を助成いただけたことになります。高額な医療費なのでとてもありがたいです。

助成回数

助成回数は初めて助成を受けたときの治療開始日時点での妻の年齢で決定します。

助成条件(妻の年齢)

妻の年齢が39歳まで通算6回まで
妻の年齢が40歳以上通算3回まで

申請期限と申請方法

申請期限もちょっとややこしいです。助成対象となる1回の特定不妊治療が終了した日の属する年度末の消印で申請書類を送る必要があります。ちなみに、1月~3月までに終了した治療の場合は期限が延長され、6月末の消印の申請でも問題ありません。

申請書類は年収証明や不妊治療クリニックに記載してもらう書類もあるので、治療が完了次第早めに準備することをオススメします。

申請書類

1.特定不妊治療費助成申請書
2.特定不妊治療費助成事業受診等証明書
3.住民票の写し
4.戸籍全部事項証明(戸籍謄本)
5.夫婦両方の所得関係書類(住民税課税証明書/住民税額決定通知書)
6.領収書のコピー

申請から振込みまでの期間

申請をしてから約2ヶ月後に審査結果通知が送られてきます。結果通知の約1ヵ月後に指定された口座に振り込まれます

区市町村の助成制度

特定不妊治療は東京都による助成に加えて、区市町村の独自の助成制度も整備されています。私の住んでいる区では追加で5万円の助成を受けることができます。もっと恵まれた区では最大15万円の追加です。これは凄いですね。

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特定不妊治療助成制度のまとめ

体外受精や顕微授精といった高額の不妊治療の大きな助けとなる特定不妊治療助成制度について解説しました。高額な治療費にならざるを得ない不妊治療なので、本当に助かります。

自治体からの助成制度を上手に利用して、不妊治療の大きな負担を少しでも減らして治療に臨みたいものですね。

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