先日、無事に妊娠を確認し、不妊治療を卒業することができました。結果的に2019年7月から通院をし、2020年2月に卒業なので8ヶ月通ったことになります。タイミング法から体外受精にシフトしてからは1回目での妊娠となったので、幸いなことにとてもスムーズな妊活だったといえると思います。それでも治療の間は非常に長く感じられ、費用も100万円弱はかかっています。
改めて不妊治療は時間の面、費用の面の両方の負担が大きいです。だからこそ、不妊治療を受ける病院やクリニックの最初の選び方を間違えずに、自分たちがしっかりと納得できる場所で治療を受けることが大切です。
妊娠が判明するまでは失敗が続くのが不妊治療の最大の特徴です。失敗する度に落ち込み、先が見えない不安な気持ちになります。改めて振り返ると、しっかりと納得できるクリニックで治療を受けることが大切だと改めて感じます。不妊治療を終えた今だからこそ感じている病院やクリニックの選び方を本記事では紹介したいと思います。
目次
通院のしやすさが大前提
月に何回も通院する必要があります。だからこそ大切になるのが通院のしやさです。通院のしやすさには3つのポイントがあります。
・診療時間の幅が広い!
・予約が取りやすい!
自宅や会社からのアクセスが良い!
不妊治療は夫婦で行うものというのは当然のことながらも、現実問題として女性側が通院しなければいけないのが実態です。つまり、女性側がクリニックに通いやすいということが大前提になります。
排卵のタイミングを自然周期に任せるか薬剤でコントロールするかでも通院頻度は変わってきますが、我々は治療期間中の平均で月3~4回は通院していました。これが何ヶ月も続くと思うと、家もしくは会社からのアクセスが良くないと大変です。
診療時間の幅が広い!
また、診療時間も重要です。女性側の時間に制約が少なければ問題ないですが、仕事をされている場合は平日の遅い時間や土日でも診療を受け付けているクリニックでないと仕事との両立が難しくなってきます。
身体のタイミングと仕事のタイミングはどうしても掛け違ってしまうものなので、診療時間の幅の広い病院を選んでおくと、治療を始めてからのストレスを緩和することができます。
予約が取りやすい!
これは案外見逃しがちかもしれませんが、重要です。いくら診療を受け付けていても予約が取れないと意味が無いです。病院によっては予約制を取っておらず先着順で受け付ける病院もありますが、やはり予約制のほうが時間を合わせやすいので、女性が働いている場合はメリットが大きいと思います。
最近の多くのクリニックはWEBでの予約が可能なので、病院選定中に試しに会員登録をして予約状況を見てみると良いと思います。もしくは電話で聞いてみるのも手っ取り早いかもしれませんね。
病院・クリニックの設備や実績
続いての観点は病院・クリニックの設備や実績です。これらも当然重視したい項目となります。
・体外受精・顕微授精の治療実績数が豊富である!
・設備・施設が豊富である!
・ただし、妊娠確率には注意が必要
生殖補助医療(ART)までを取り扱っている!
不妊治療には大きく分けて、一般不妊治療と生殖補助医療(ART)の2種類に分けられます。一般不妊治療(タイミング法や人工授精)までで妊娠にいたることができれば良いのですが、場合によっては生殖補助医療(体外受精や顕微授精)にまでステップアップをしなければいけないタイミングが来ます。
その時に、後々でクリニックを変更しなければいけなくなると結構な手間です。環境が変わることに加えて、そこまでのクリニックで検査した内容を別のクリニックに引き継げるのか、紹介状は必要になるのか、と言った懸念事項も出てきます。これを避けるためにも、最初から生殖補助医療(ART)までを扱っているクリニックを選ぶことがオススメです。
体外受精・顕微授精の治療実績数が豊富である!
体外受精や顕微授精といった生殖補助医療(ART)を実際に受けた経験から言うと、素人目にも医師や培養師の技術が必要なんだろうということをヒシヒシと感じました。
我々が経験した体外受精の流れで言うと、採卵前に卵胞を育て、採卵し、受精させ、受精卵を培養し、女性の身体に成長した胚を移植、という流れです。このいずれの行程においてもミスがあると、卵がダメになってしまうわけです。胚移植に当たっては凍結した胚を融解させ、身体の中に戻す作業に立ち合わせてもらいましたが実に細かな作業でした。
このことから何を言いたいかというと、実績をある程度積まない限り腕が上がらないような作業だということです。このことを鑑みると、一定数以上治療実績をこなしているクリニックでないと、技術面で不安が残ります。また、実績が多いクリニックはそれだけ経営が上手くいっているクリニックになるわけですから、設備も最新のものが入っている可能性が高いです。
設備・施設が豊富である!
どんな設備がそれっているかは病院のサイトを見ると結構細かく紹介されています。最新の設備が揃っているクリニックはやはり安心です。
最近の流行で言うと、受精卵を胚に成長させるためのインキュベーター内にカメラが設置されていて中を開けずとも胚の状態を確認できるインキュベーターがあります。受精卵から胚になる行程は通常は母親の体内で起こるものです。それを外の環境で行うわけですから、インキュベーターを開け閉めせずに胚の状態を確認できるこの設備があると安心です。実際に我々も受精卵が胚分割し、桑実胚に育っていく様子を動画で見ることができました。
また、2人目妊活の場合は託児施設やキッズルームがあるかも重視したいですね。2人目妊活での不妊治療クリニックへの通院は想像以上に気を遣う必要があるので。
ただし、妊娠確率には注意が必要!
他に気になる数字は妊娠確率だと思います。。ここは病院にとってもアピールになる部分なのでホームページには必ずと言って良いほど記載があります。ただ、この数字はそのまま鵜呑みにすると危険です。
なぜならば、治療を始める年齢によって確率はまったく異なってくるからです。当然、若い患者さんが多いほど確率は高まっていきます。なので、確率についてはクリニック全体の数字だけを見るのではなく、治療開始年齢毎の確率を見て判断することが大切です。
治療費用や検査費用
不妊治療を受けるにあたって避けて通れないのがお金の問題です。治療のほとんどが自由診療になるため、驚くくらいのペースでお金がかかっていきます。ある程度は自治体からの援助を受けることができますが、それでも上限はあります。
このため、各治療にどれくらいのお金がかかるかはチェックしなければいけないポイントです。自由診療のため、クリニックによって価格は幅が大きいです。このため、家計事情と相談しながら現実的な落としどころを探っていくことも必要です。
また、クリニックによっては成功報酬の考え方を採用している場所もあります。これは不妊治療を行い、成功した方と上手くいかなかった方で費用の差を設けるというものです。上手くいった場合は治療にかかる費用に目処がつき、失敗した場合は治療が続くため費用もかさむ、ということを考えるとよくできた考え方かなと思います。
病院・クリニックの雰囲気
最後はクリニックの雰囲気です。これは主観的なポイントになるので、ご自身の目で確かめるしかありません。でも、参考になるポイントはあります。
・ネット上の口コミは信じすぎない!
・勉強会で生の雰囲気を感じることが大切!
知り合いの体験談は参考になる!
やはり1番頼れるのは生の声です。我々の場合、妻の会社の同僚が不妊治療を受けていて、その声も参考にして同じクリニックにしました。
元々、ネットで調べたときにアクセス面や設備面でも満足のいくクリニックだったので、生の体験談が最後の一押しになりました。その方は別のクリニックで上手くいかず、転院後のクリニックでの1回目の体外受精で妊娠したそうなので、この体験談の安心感は大きかったです。
ネットの口コミは信じすぎない!
今の時代だとネット上にも数多くの口コミがあります。しかし、これは鵜呑みにしないほうが良いかなーと感じます。人によって感じ方が違いすぎますし、ネットの口コミは上手くいった人は何も書かず、失敗した人ほど悪く書き立てる傾向にあります。なので、あくまでもほんの参考程度に、という使い方が賢いかなと思います。
勉強会で生の雰囲気を感じることが大切!
生殖補助医療(ART)を受ける際は治療開始前に勉強会を受ける必要があるクリニックがほとんどです。どのクリニックも無料で実施しているので、勉強会に出て病院自体の雰囲気を生で感じるのは特にオススメしたいです。ホームページからでは分からないクリニック全体の雰囲気や方針を知ることができます。まさに百聞は一見にしかずです。
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